この度は、歴史ある全国ミクロカプセル工業会の会長を拝命させて頂く事となり大変名誉なこととであると共に、その重責をあらためて感じております。
100年前に世界的大流行した「スペイン風邪」以来の猛威を奮っている新型コロナウイルス（covido19）に、全産業が感染予防として立ち向かっております。私たち建設業関係も同様であり、終息の先が見えない状況で戦々恐々としながらも事業持続に向けてご努力されています方々のご努力に深く感銘すると共に感染された方々にはお見舞い申し上げます。
さて、2008年の世界金融危機（リーマンショック）後の回復していく経済は二度と以前と同じ状況（価値観）には戻らず、新しい価値（価値観）が生まれる「ニューノーマル」（新常態）の時代となるとイギリス経済学者モハメド・エラリアン氏が提唱致しました。今回の新型コロナウイルスによる世界経済の危機の回復期には、全く新しい価値観の時代として「ニューノーマル2.0」時代となると言われております。本来の経済活動である人と人との出会いや接触を規制され、外出や移動、会社への出社、店を開ける事さえも制限されている状況で何とか様々な事業を維持する為の手段として急速に「DX」（デジタルトランスフォーメーション）を活用した事業転換を進められています。テレワーク、Web会議、Web講習会、VRによる現場管理、‥等。
私は、新型コロナウイルスの時代が明けていない「ニューノーマル1.5」では、今までの価値観と新しい価値観（DX）との共存移行期間と考えます。歴史ある本工業会が発展継続してきた最たる要因はミクロカプセル工法の技術力と考えます。少子高齢化進み熟練工からの技術の継承も大きな課題であり、付加価値を生む商材（工法）も本工業会にとっては喫緊の課題であります。
一方、会員36社及び事務局との意見交換及び勉強会など触れ合う機会も新型コロナ感染予防としては難しい状況です。本工業会では「DX」を活用したハイブリッド型の研修会や講習会、意見交換会などを進めたいと思います。例えば、現場検証会をWebリアル参加、Web講習会など。また、新工法としては現在研究開発委員会が進めています無機注入剤の開発や工業会会員の皆さまの業種に共通する商材（無機系塗装剤）などの工業会のオリジナル化を進めて行きます。
工業会の長年培われた技術力を「DX」を活用して会員の皆さまとより広く、より深く、研鑽が出来たらと考えております。人生経験も浅く大変微力では御座いますが、工業会発展の為に一層精励する所存で御座います。会員皆様方のご指導、ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

令和2年7月2日
全国ミクロカプセル工業会　会長
三信建材工業株式会社　代表取締役社長　石田敦則